Domain 21 / 225

サイト移転は 301 リダイレクトと URL マッピングで評価を引き継ぐ

サイト移転 の要点

サイト移転は旧 URL から新 URL へ 301 リダイレクト + URL マッピング + Search Console 通知が標準。Google が完全切替するまで中規模サイトで数週間、大規模で数ヶ月。301 は PageRank 損失なし。旧サイトのリダイレクトは最低 1 年維持

なぜこれを学ぶか

サイト移転は SEO 担当者の最大級の責任タスクで、ミスると数ヶ月の流入損失や永久的な評価ロスにつながる。 HTTPS 化、ドメイン変更、CMS リプレイス、URL 構造刷新のいずれも「サイト移転」として扱う必要があり、公式手順を知らずに進めるとリカバリ不能になる。

メディア・EC・コーポレートサイトのリニューアル前に必ず読むべきトピック。

学ばないと起きること

よくある事故被害
URL マッピングを作らずリニューアル → 旧 URL すべて 404全被リンクの評価が消滅、流入が数ヶ月ゼロに近い状態
301 ではなく 302 を使う一時転送扱いで新 URL の評価が育たない
リダイレクトチェーンを作る(旧 → 中継 → 新)シグナル減衰、Google が 5 ホップで追跡を諦める
新サイト公開と CMS 変更と URL 構造変更を同時実施どれが原因で順位が動いたか分からなくなる
旧サイトのリダイレクトを 1-2 ヶ月で外すGoogle が新 URL に完全切替前で、評価が消える
移転後すぐ「順位が落ちた」と慌てて旧 URL に戻す評価が二重に動いて回復が遠のく
Search Console「アドレス変更」を使わないGoogle への移転通知が遅れ、切替に時間がかかる

学ぶメリット

  • リプレイス案件で SEO 観点の標準フローを提示できる
  • HTTPS 化 / ドメイン変更 / CMS 移行を「URL 変更を伴うサイト移転」として扱える
  • 一括移転 vs 段階移転の判断ができる
  • 商談で「301 は PageRank 損失なし」と即答できれば技術的解像度を示せる

仕組み

サイト移転に該当するケース

公式が定義するサイト移転:

  • HTTP → HTTPS への変更
  • ドメイン名変更(example.comexample.net
  • 複数ドメイン / ホストの統合
  • URL パス変更(example.com/page.php?id=1example.com/widget
  • URL 拡張子変更(page.htmlpage.htm

公式推奨の 5 ステップ

  1. サイト移転の一般ベストプラクティスを確認、影響範囲を把握
  2. 新サイトを準備(CMS / コンテンツインポート / 証明書 / robots.txt)
  3. URL マッピングを作成(旧 URL → 新 URL の対応表)
  4. リダイレクトを設定して移転開始
  5. 旧サイトと新サイトの両方でトラフィック監視

一般ベストプラクティス

原則内容
段階移転大規模サイトは小さく分けて移転、影響を観測しながら拡大
1 度に 1 つだけ変えるドメイン変更 + CMS 変更 + デザイン刷新を同時にしない
低トラフィック時に実施季節変動・週次変動を活用、ユーザー影響を最小化
順位の一時変動を予期移転中は順位が揺れる、中規模サイトで数週間
Search Console を活用旧サイト・新サイト両方を verify、Performance / Index Status を監視
焦らない完全に切替まで時間がかかる、URL ごとに段階的に動く

URL マッピング作成

すべての旧 URL → 新 URL の対応表を作る。形式例:

旧 URL: https://oldsite.com/article/abc.html
新 URL: https://newsite.com/blog/abc

旧 URL: https://oldsite.com/products/123
新 URL: https://newsite.com/products/dress-blue

旧 URL: https://oldsite.com/about.php
新 URL: https://newsite.com/about

これをサーバー設定または mod_rewrite / NGINX rewrite で 301 リダイレクトとして実装する。

キー概念

301 リダイレクトでの PageRank 損失

公式: 301 や他の永続リダイレクトでは PageRank 損失は起きない。 過去は「リダイレクトで PageRank が一部失われる」という話があったが、現在の公式立場は損失なし。

ただし「移転完了まで時間がかかる」「一時的に順位が揺れる」のは別問題。

移転完了までの期間

サイト規模完了までの期間目安
小規模(数百ページ)1-2 週間
中規模(数千〜数万ページ)数週間〜2 ヶ月
大規模(数十万ページ以上)数ヶ月

完了とは「すべての URL が Google にクロールされ、新 URL に評価が引き継がれた状態」。 URL ごとに段階的に進むので、トラフィックも段階的に新 URL 側に移行する。

Search Console アドレス変更ツール

ドメイン名変更の場合のみ使えるツール(HTTPS 化や URL パス変更には使えない)

使えるケース使えないケース
example.comexample.netHTTP → HTTPS
example.comm.example.comURL パス変更
複数ホストの統合サブドメイン配下の URL 変更

旧サイトと新サイトを両方 Search Console に登録した上で、旧プロパティから「アドレス変更」を実行する。

サイトマップ送信の役割

新 URL のサイトマップを Search Console に送信すると、Google が新 URL を発見・クロールするスピードが上がる。 旧 URL のサイトマップは「最終更新日が新しい」状態にしておくと、Google が再クロールを優先する。

旧サイトのリダイレクトはいつまで維持

公式推奨: 最低 1 年は維持。 Google が新 URL に完全切り替えするまでに時間がかかり、被リンクの源も古い URL を残し続けるため、早期に外すと評価がリセットされる。

可能なら永続的に維持するのがベスト。

よくある誤解

よくある誤解実際のところ出典
301 リダイレクトで PageRank の一部が失われる失われない。公式に損失なしと明言URL 変更を伴うサイト移転
ドメイン変更すれば即日で新ドメインが評価される数週間〜数ヶ月かかる、URL ごとに段階的に進む
旧サイトのリダイレクトは数ヶ月で外して OK最低 1 年維持、可能なら永続的に維持
大規模サイトでも一括で移転するのが効率的小分割して影響を観測しながら拡大が安全
HTTPS 化は「サイト移転」ではないサイト移転として扱う、公式手順に従う
移転中の順位低下はミスのサイン一時的な揺れは正常、数週間で安定
新サイト公開と CMS 移行と URL 変更を同時にやれば工期短縮原因切り分けが不能になる、1 度に 1 つだけ変える
Search Console アドレス変更ツールはあらゆる移転で使えるドメイン変更のみ使える、HTTPS 化や URL パス変更には使えない

実務での適用

サイト移転の標準フロー(中規模サイト)

Phase 1: 準備(1-2 週間)

  1. URL マッピング表を作成(Excel / Google Sheets / DB)
  2. 新サイトを別環境で構築、コンテンツ全移行
  3. SSL 証明書取得・設定
  4. 新サイトで noindex を入れて事前テスト
  5. 新サイトの robots.txt / canonical / hreflang を設定

Phase 2: 移転前チェック(1 週間)

  1. URL マッピングが完全か確認(漏れた URL は 404 になる)
  2. 内部リンクをすべて新 URL に張り直し
  3. サイトマップを新 URL で生成
  4. Search Console に新サイトを verify

Phase 3: 移転実行(移転日)

  1. 新サイトの noindex を解除
  2. 旧 URL → 新 URL の 301 リダイレクトを ON
  3. 新サイトのサイトマップを Search Console に送信
  4. ドメイン変更の場合: アドレス変更ツールを実行

Phase 4: 監視(数週間〜数ヶ月)

  1. Search Console「ページ」で旧 URL のクロール / インデックス状況
  2. 新サイトの順位 / クリック数を Performance レポートで監視
  3. 「クロール エラー」が増えていないか確認
  4. 順位低下が続く場合は URL マッピングの漏れを再確認

HTTPS 化の特別注意

リダイレクトの設定:
  http://example.com/* → https://example.com/* (301)
  http://www.example.com/* → https://example.com/* (301、www → 非www 統一なら)

canonical: 全ページで HTTPS URL を指定
サイトマップ: HTTPS URL で生成
hreflang: HTTPS URL で記述
HSTS: 設定推奨

大規模サイトの分割移転

Phase A: ブログセクションのみ移転 → 1-2 週間観測
Phase B: 商品ページの一部カテゴリ移転 → 1 ヶ月観測
Phase C: 残りすべて移転

各フェーズで影響を確認しながら拡大することで、問題発見・対処を早期化。

トラブル別の対処

症状確認すべきこと
移転後 1 ヶ月経っても旧 URL が検索結果に残るリダイレクトが正しく 301 か、リダイレクトチェーンになっていないか
新サイトの順位がなかなか上がらないURL マッピングの漏れ、内部リンクが新 URL を指しているか
Search Console「リダイレクト エラー」が増えたリダイレクトループ、5 ホップ超え、リダイレクト先が 404 / 5xx
ドメイン変更後にアドレス変更ツールが使えない両ドメインを Search Console で verify しているか確認
移転後にコアアップデートが来て順位が大きく動いた移転とコアアップデートの影響を分離、Search Status Dashboard 確認

公式ソース

自己テスト

Q1. 301 リダイレクトで PageRank の損失はあるか?

ない。Google 公式が「301 や他の永続リダイレクトで PageRank 損失は起きない」と明言

Q2. ドメイン変更後、Google が新 URL に完全切替するまでどれくらいかかるか?

中規模サイト(数千〜数万ページ)で数週間〜2 ヶ月。 大規模サイトでは数ヶ月。URL ごとに段階的に進む

Q3. 旧サイトのリダイレクトはいつまで維持すべきか?

最低 1 年。可能なら永続的に維持するのがベスト。 被リンクの源が古い URL を残し続けるため、早期に外すと評価がリセットされる

Q4. HTTPS 化は「サイト移転」として扱うか?

扱う。Google 公式手順(URL 変更を伴うサイト移転)に従って 301 リダイレクト・URL マッピング・Search Console 確認を行う

Q5. Search Console「アドレス変更ツール」が使えるケースは?

ドメイン変更のみ。HTTP → HTTPS や URL パス変更、サブドメイン配下の URL 変更には使えない

Q6. 大規模サイトの移転は一括 vs 分割、どちらが推奨か?

分割推奨。小さく分けて影響を観測しながら拡大することで、問題発見・対処を早期化できる

Q7. ドメイン変更 + CMS 変更 + URL 構造変更を同時に行うべきか?

NG。1 度に 1 つだけ変える。同時にやると順位変動の原因を切り分けられず、トラブル時の対処が困難になる

Q8. 移転中に順位が揺れたら旧 URL に戻すべきか?

戻さない。一時的な揺れは正常、数週間で安定する。 旧に戻すと評価が二重に動いて回復が遠のく

これらの内容を採点付きで挑戦したい場合は、本ドメインのプロ試験で 5 問形式で確認できる。